終盤の研究①ー③(余談)
この記事は本筋とは関係ないが、個人的に興味深かったので残しておく。
(第1図、黒5まで)
白2には黒5ーAから追い詰めであることは前の記事で述べた。(以下)
では第1図、黒5と三をヒクとどうなるのだろうか?白の受ける候補はAもしくはB。両方良いのか、あるいは両方駄目なのか、片方だけ良いのか・・・?
(第2図 白8まで)
結論からいえばこの三は逆から受けるのが正解。この6では頓死してしまう。(正確に言うと追い詰めではないのだが)
私はこの記事を書くまでは黒7に対して白8で受かっていると思っていた。しかし実はここでは黒に局面を打開する手段がある。是非覚えてほしい。
(第3図 黒9まで)
黒9が妙手!よく見るとこの9は8と4から桂馬の位置にある。桂馬の網を破る+連には本当に良い手が多い。
この手自体は次に黒Aあるいは黒Bに打っての両ミセを狙っている。二通りの詰みを見ているというわけだ。通常二通りの狙いを残されると受からなくなる。白としてはAと打つのが三ヒキの先手を取る手で、それしかない。
(第4図 黒15まで)
白12が剣先を作りながら精一杯の抵抗だが、黒13とヒイて白14を強要し、黒15と止めておいて勝ちになる。この手自体が以下ABのフクミ。加えてCFA、CDEの追い詰めも見ている。白は同時に受ける術がない。
この黒9は勝ちだと知っていないとなかなか実戦では発想しにくいと思う。詰み形自体は類似型はたくさんあるので役立ててほしい。