連珠雑記

連珠(競技五目並べ)に関する雑記。問題掲載、五目クエストの棋譜、公式戦振り返りなど。

四追いとマインドフルネス~ただ深い集中に身を任せる~

最近ゲソ天先生出題の黒先四追いを毎日1~2問解いている。「解いている」と書いているがここでの肝は「読み切りを目的にしない」ことである。問題数も関係なく、自然に読み切れたら次を探すくらいだ。

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解いていて棋力が上がったということは若干あるかもしれないが、そんなに長期間やったわけではないのであまり感じない。ただ明確に感じるのは頭が冴えるようになった。

マインドフルネスというものがある。Googleが採用したことで話題になった脳の疲れをとるためのトレーニングで、瞑想に似ている。。その肝は、脳の思考を一点に集中させることにあるらしい。私たちの脳は日々知らないうちにいろいろなことを考え、決断している。昨日のこと、明日の予定、今日のことだけをとっても何時に起き、何を食べ、何を着ていくかなど、日常の一瞬一瞬が決断の連続だ。この工程が脳に著しい負荷を与えるらしく、思考を絞らせることによって脳をリラックスさせるのが狙いのようだ。詳しいことはよくわからないので各自ぐぐってほしい。

この話を知って思うのは、思考を限定すればいいのだからなにも瞑想する必要はない。四追いでいいではないか、いや、四追いこそマインドフルネスかもしれない、と。四追いはその実考えることが単純だ。白先だと禁手絡みが出てくるので面倒くさくなるが、黒先の四追いなら四三だけを見ればいい。打つのは四だけで、四を止める相手の応手は常に一つだ。何通りの受けがあって・・・、とか考える必要がない。

四追いというと普通は上達のためにやるものだから、解き切ることを前提にしてしまいがちだ。しかしこの場合はそもそも解き切る必要はない。「思考が四追いの一点に絞られている」という事実が重要で、解き切って次々切り替えるよりは、かえって解き切れないくらいのほうがいいかもしれない。自分にとって簡単すぎる問題だと集中する必要がないので難易度の調整は必要である。個人的におすすめなのは「5分以内には完全に読み切れそうにない問題」だ。私の場合はゲソ天先生の四追いがちょうどいい。また、早解きを目指すわけではないので死に物狂いで読み切りにいくこともない。ゆっくりと深い海の底に潜っていくイメージで、徐々に徐々に集中を深めていく。速さも正確さも要求されずに四追いだけを読むのは爽快で、ストレス解消にもいい。

唯一の問題点は現状こうした用途での四追い問題の絶対的な不足だろうか。一般的に公開されていないものも含めればいっぱいあるのかもしれないが、表に出ているのは少なすぎる。四追いは連珠の読みを鍛えるためというイメージ、あるいはそういうのから離れた純粋な芸術作品としての側面が強かったが、こうしたアプローチから作問するのもありかもしれない。解く側も力を抜いてやってみてはいかがだろうか。