連珠雑記

連珠(競技五目並べ)に関する雑記。問題掲載、五目クエストの棋譜、公式戦振り返りなど。

勝敗を分かつ一手の攻防~幻の四追い~

連珠には幻の四追いという慣用表現がある。簡単にいうと、「四追いだと思っていたら実はノリ手で勝てないもの」にあてられるものだが、厳密にはもう少し狭い意味合いなのではないかと思う。ちょうどいい局面を見つけたので紹介したい。 (仮想局面、白2まで) …

棋譜並べ④ 小山純VS佐藤清富~ポイポイ流大決戦~

この棋譜を取り扱うにあたっては個人的に葛藤があったのだが、ともかく面白いので紹介したい。 両者は感覚型プレイヤーの大家で、「ポイポイ流」と呼ばれる通りほとんどの局面で長考することなくどんどん打っていく。具体的に言うと一手につきノータイム~1…

棋譜並べ③ Artemiev VS 曹冬 ~勝つための受けの方針~

チーム世界戦自戦記については別の場所で話す事情ができたということで、とりあえずそれが終わってからの更新としたい。今回紹介するのはチーム世界戦の別の局についてだ。Artemiev(以下本記事ではアルテミエフと記す)と曹冬の一局である。 総譜 http://www.…

チーム世界戦振り返り~オル戦~

(45黒:私 示白:オル 白16まで) 二回戦は同日の午後、初戦終了からおよそ2時間を空けて行われる。私の対局相手はオル。前回大会でチームを優勝に導いた立役者だ。彼は対局が始まると少し呼吸を整える素振りを見せてから恒星を提示した。瞬間に私は自らの行な…

チーム世界戦振り返り~トップキン戦~

つい先日、Yixin2017GUI版が公開された。滅茶苦茶強いソフトで、その水準は総合的に見て人間のトップレベルか、分野によってははるか遠くのところにいるだろう。せっかくなのでこの人に手伝ってもらいながらチーム戦の自分の棋譜を振り返ってみたい。 (示45…

四追いとフクミ

チーム世界選手権の宿で私は藤田雄大五段と同室だった。彼は国際棋戦初出場に関わらず5割近い成績を残し、去年個人2位である中国の朱建縫に1勝1分で終えるなどその強さを見せつけた。藤田君とは大会の合間合間に練習ということで3分切れ負けや5分切れ負けの…

チーム世界戦を終えて~簡単な感想~

このGWに連珠のチーム世界選手権に出場してきた。その名の通り団体戦で、私は大将出場。個人としての成績は5勝2敗1分、チームとしては2位だった。 以下、印象に残ったことを簡単に。 世界チャンプとの距離 現在の連珠の世界チャンプは2017年個人で優勝したSu…

【四追い】解答解説【実戦検討】

忘れないうちに解答と簡単な解説を載せる。問題は以下。 実戦検討より。黒先、四追い勝ちは?#連珠#五目クエスト pic.twitter.com/5E8htYJe6k — 那智暴虐の連珠石 (@nachirenju) 2018年4月21日 初型観察 (問題図) この問題のポイントは、二通りの打ち出し筋…

実戦型詰む連珠第4問 解答解説

実戦型詰む連珠の解答解説をしていく。問題は以下 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第4問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★★☆)#詰め連珠#解けたらRT 過去のブログ出題から未解説問題を引っ張ってきました。一見捕まっていそうですが綺麗に詰み上がりま…

実戦型詰む連珠第3問 解答解説

実戦型詰む連珠の解答解説をしていく。問題は以下 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第3問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★★☆)#詰め連珠#解けたらRT 類型を経験した方は多いのではないでしょうか。詰みそうでなかなか詰まない。この局面にはちゃんと詰…

終盤の研究②ー①

今回も終盤の研究をしていく。 (テーマ図、黒番) 今回扱うテーマ図はこの局面。疎星などで時々出現する局面だ。この局面を設定する条件として ①絶対的な黒の手番 ②十分な攻めスペース の2点がある。ある局面から黒が勝てるかどうかを確かめるのには基本的な…

終盤の研究①ー③(余談)

この記事は本筋とは関係ないが、個人的に興味深かったので残しておく。 (第1図、黒5まで) 白2には黒5ーAから追い詰めであることは前の記事で述べた。(以下) renjuvarious.hatenablog.jp では第1図、黒5と三をヒクとどうなるのだろうか?白の受ける候補はAも…

終盤の研究①ー②

この記事は以下の記事の続きなので、未読の方は先に目を通してほしい。 renjuvarious.hatenablog.jp (第16図、黒5まで) 白2には黒3、黒5と打つ追い詰めがある。これもこの形では出現率が高い。 (第16図、黒7まで) 知らないとなかなか打てないが、白6には黒7…

終盤の研究①

実戦では詰みもそうだが、いかに詰む形に持っていくかが大事だ。自分の知識の整理も兼ねて、終盤でよく現れる形の研究を行う。 (テーマ図、黒番) テーマ図から黒番である。ここでは既に黒必勝が確定している。細かい石の配置は色々あるのだが、勝ちになる形…

実戦型詰む連珠第2問 解答解説

実戦型詰む連珠の解答解説をしていく。問題は以下 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第2問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★★★)#詰め連珠#解けたらRT このパターンでは最も分かりやすい形から出題。実戦出現率の極めて高い形で、反射的に詰めるようにな…

棋譜並べ② 梅凡VS姚宇杰

今年の4月、中国で全国五子棋団体賽という大会が開催された。この大会のルールは題数指定打ちで、現行の世界選手権採用ルールである四珠交替打ちのひとつ前のものだ。とはいえ、参考になる棋譜が多いのでしばらくこの大会の棋譜を並べていこうと思う。 (第1…

実戦型詰む連珠第1問 解答解説

Twitterで出題した実戦型詰む連珠第1問の解説をしていく。問題は以下。 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第1問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★☆☆)#詰め連珠#解けたらRT 不定期出題。「詰め連珠」ではなく「詰む連珠」。よって詰みは一通りではなく複…

棋譜並べ① 祁观VS林劉民 ~剣先の使い方~

棋譜並べの記事を書きたい!そう思った。思い立ったが吉日というやつである。早速やっていこう。今回紹介するのは2017年世界選手権ATで打たれた祁观VS林劉民の対局だ。紹介にあたって、互いに競った接戦よりも片方の快勝のほうが見ていて爽快感があるだろう…

三ヒキ主体の連珠におけるポイント

先日いっぷくさんで連珠に関する講義をさせていただいた。その中で「三ヒキは将棋で言うと銀損(捨て)に相当する」と言及した。それにより三ヒキ恐怖症になる方や、「強い人は三を引いているのに何で?」と思われる方があっただろう。その疑問はもっともであ…

持ち時間と攻守

入浴中に考えたこと。 とある言説で「連珠は持ち時間90分が適切である」というものがあった。持ち時間が長すぎると、読みが速い者がその長所を活かすことができない、がその主張だ。最近まではうんうんそうだなぁと思っていたのだが、ここ数カ月で変化があっ…

Yixinについてのメモ

連珠には検討用のフリーソフトでYixinが有名だ。以下でダウンロード可。 http://www.aiexp.info/pages/yixin.html 起動するとこんな感じ。(デフォルトでは盤と石の画像が違うが。) このYixin、現在では2017年版までリリースされている。(今年の5月に2018版が…

2017年世界選手権台北大会振り返り②現地での生活~主に食事~

前項で述べたように、今期の世界戦はグリーンワールドホテルにて開催された。ホテルは以下。 GREEN WORLD HOTEL NANGANG 私が泊まった部屋はこちら。(恐らく問題はないと思いますが、駄目なようなら削除します。) このホテルは日本からの観光での宿泊場所と…

2017年世界選手権台北大会振り返り①台湾について

台湾についての必要なことまとめ ご存じの方もいると思うが、2017年8月に連珠世界選手権台北大会に参加した。その振り返りをかねて、本稿ではその1として台湾に行く上で抑えたほうがいいことを私なりに記していく。なおここに記すことは台北近辺についての私…

02/06出題 問2ー解答①(方針とヒント)

白先、受けの正着は? 問2は問1における正解の場所に黒から先着した場合の受けを問うた。連珠は自分が攻める→相手が受ける(急所)の場合、急所に攻め側から先着するのが好手になることが多い。実戦でも問1→問2という思考プロセスは自然である。 実はこの問題…

02/06出題 問1ー解答②(白の異着ー白D,E)

白先、受けの正着は? (問題図) 前回記事の続き、白D、E点について見ていく。 白2ーD点における黒勝ち (正解図、黒13まで) 白2ーCと違い、今回は一路空間が開いているためいわゆるH型の詰みが可能になる。黒3は相変わらずの急所で白4は絶対。以下はよくある詰…

02/06出題 問1ー解答①(白の異着ー白B,C)

白先、受けの正着は? (問題図) この図に於いての白の正着を問うた。結論からいえば白の正着はA。他の受けは全て負けてしまう。本当に全ての場所を検討すると、時間がいくらあってもたりないので、白の受けB~Eについて解説する。その他の受けについては各自…

初見と既知ー連珠の構図の研究

初見には弱い 友人による私の評価の一つに「(一般と比べて)初見には滅法弱いが、二回目以降には強い、だから経験値を積むことが何より大切。」というものがある。この指摘が客観的に正しいかどうかは別として、長年私を見てきた人による評価であるので大事に…

形勢判断の尺度

元々は ここ最近物事をすぐ忘れることに気づいた。連珠の棋譜という話になると顕著で、次の日には忘却していることが多い。日々あれを文章化しようこれを文章化しようと考えていることは多々あるが、その大部分を忘却してしまっているのではなかろうか。あん…

三三禁の狙い方

様々な三三禁 禁手の手筋のバリエーションはそれほど多くない。禁手ではない詰みのパターンはいくつあるか知れない。簡単なものが実戦でパッと出てくるとなると100~1000くらいはあるのだろうか。禁手のほうは基本型20~30、特殊ケース10くらいだろう。他に…

研究テーマという口実

テーマを持った研究ーある局面Aを解明するー 仰々しく書いたが、私はこういうのが好きではない。なぜか?忘れるからである。「~の研究をしよう!」というのは言葉それ自体に義務感、強制力があって深いところで積極的ではない(気がする)。それよりは、半ば仕…