連珠雑記

連珠(競技五目並べ)に関する雑記。問題掲載、五目クエストの棋譜、公式戦振り返りなど。

第57期連珠名人戦リーグ1回戦 長谷川九段戦

ふと自分の連珠が客観的にどうだったのかを調べてみたくなったので書いてみる。 私の白番。この時点での私の研究では七題提示が相場だったが、いまは六題提示でも充分だと思っている。後々試す必要がある。この中で五珠指南書に載っていないのはK9。載ってい…

部分処理

noteのほうには局面以外のことを書いているので、こちらは局面について書くという棲み分けをしたいと思う。必然的にガチ記事が多くなってしまうかもしれない。正直そのほうが書いていて楽しいという面がありご容赦いただきたい。題材は主にカカオの30秒連珠…

強さの中心はどこにあるのか?

私は連珠の他には将棋とバックギャモンをする。両方とも連珠に比べればはるかに弱く、馬鹿にされたことも時々あった。こういう話をすると多くの人は不思議がる。その筆頭は「将棋の羽生先生は将棋もチェスも強いのに、そうでもないんですね。」という類のも…

勝負の熱気はどこから来るのかという話~QTという異質な空間~

勝ち負け書いて勝負と読む。勝負は必ず結果が出る。みんな負けたくないから本気で戦う。こういう気持ちで満たされた場は自ずと熱気を帯びてくる。 連珠を始めて恐らく今年で12年になるが、連珠も勝負事の一つ故、色々な勝負を見てきたし自分でも経験してきた…

連珠に才能はあるのか?

連珠をやるために生まれてきたのではないかと思わず感じてしまうような人間は確かにいた。彼はいま連珠から身を引いているが、本当に強かった。将棋界で藤井総太先生が話題となって久しいが、仮に今でも続けていれば「連珠界の藤井総太」として名を馳せてい…

「どうしたら強くなりますか?」に対する考察

「どうしたら強くなりますか?」 この質問は、連珠のようなゲームをしている方共通の悩みだろう。私自身も日々感じているし、何より最近は聞かれることが多い。自分なりに考えてみたい。 まず、この質問をする人には、私の経験上大きく分けて以下の3通りに分…

連珠は知識のゲームか?~局面認知力と知識~

「連珠は視力」というのは特に最近よく言われることだが、これについて少し考えたい。視力、ここでは瞬発的な局面認知力=「ある局面を見た時に、適切に情報を取捨選択する能力」として話す。これに必要なのは何か。私のなかでは「経験値+整理された知識」の…

自分の数学嫌いはどこから来たのかという話

私はいわゆる根っからの文系である。連珠を打つ人、それも有段者、高段者となれば必然周りには理系が多い。時々聞かれることがあるのだが、そのときに数学、それどころか算数で怪しいという話をするとたびたびビックリされる。そんな私であるが、最近YouTube…

四追いとマインドフルネス~ただ深い集中に身を任せる~

最近ゲソ天先生出題の黒先四追いを毎日1~2問解いている。「解いている」と書いているがここでの肝は「読み切りを目的にしない」ことである。問題数も関係なく、自然に読み切れたら次を探すくらいだ。 twitter.com 解いていて棋力が上がったということは若干…

ソーソロフルール五珠指南書PDF

台湾のTaotao氏が自身の研究及び有志の研究を募って作成したソーソロフルールの五珠ガイドです。私がツイートや動画で「指南書」と言及する際にはこの資料を指します。ソーソロフルールをプレイする際には必須となる5手目の形勢判断を示したもので、その量は…

四追い解図ソフト~VCF Helper~

四追いを解く専用のソフトが最近作られたのでダウンロードリンクを貼っておきます。 通常使用する分には制限がないとのことですが、改造再配布などは避けてください。 多分Windowsのみのソフトと思います。 VcfHelper.zip - Google ドライブ

Gomocupの感想 〜これからどう在るべきか〜

連珠でGomocupという大会があった。連珠ソフト同士の大会での優勝を競うものだ。いま話題となっているところでいえば、コンピューター将棋選手権のようなものだ。今年はそれまで五年連続優勝だったYixinを破り、embyro19というソフトが優勝した。詳細は知ら…

チャンク化

チャンク化とはどういうふうにしているかを聞かれることが増えたので、最近友人に説明した例を書いておく。 図が基本図。ここからの黒の追い詰めを考える。 いきなり躓くようで申し訳ないが、便宜上白2は中止めで進める。外止めをすると、一般的にはそれだけ…

東京オープン① 神谷戦~ラピュタ創造を阻止できるか~

東京オープンは競技会の形式をとっているものの、個人的には研究会の色彩が強い。普段やらない形や大会ではあまり当たらない人とも対局が組まれることがあるのが一つの魅力だ。普段私は行かないのだが、このときについては中国から連珠をしにいらっしゃる方…

珠王戦総括

結果は3勝2敗1分で同率3位、ブレークが悪く5位。 挑戦手合いから続くテーマである突き詰めを貫き、練習では追い詰め方面の強化を重点的に図っていった。 その結果初日では、「自分こんなに詰み読めるんだな、ひょっとして強くなった?」と感じていて、実際そ…

受けの選択肢

久しぶりに五目並べの達人をやったときのもの。図で白番どう受けるか。黒の直近の狙いとしては黒A白B黒C以下追い詰めらしきものがある。らしきものという表現をするのは、実戦のこの時点、得に短い持ち時間において正確に追い詰めだと判断するのが難しいため…

着手と視線ー思考の内と外ー

人間の打つ連珠の傾向として、直前に打った手、打たれた手の周辺に注目してしまうというものがある。これは棋力が上がっていくにつれ減っていくのだが、それでも完全には0にできない。 図は私の白番。白4は自由打ちの隙を突く奇襲。白12まで、何かあれば負け…

速度の見極め

図は明星の古くから存在する序盤。白6ではAが定石とされている。この局面で黒にAと打たれると、縦、横、斜めで合計三つの連が発生してしまう。無論詰みを残しているため、これだけでいきなり受け無しになる。連珠は一般的に二つの連が出来た時に追い詰めが発…

注意すべきYixinの挙動

検討時には非常に便利なYixinだが、万能ではない。深く研究してみると、Yixinでもしばしば判断を誤ることが分かる。 図はYixinのDefend機能を使った受け候補探索の評価値表示。-10000という数字はその局面に受けがないことを意味する。(非常に少ないが例外も…

心の準備

月末に珠王戦がある。この大会は世界選手権の選手選考会を兼ねていて、今回は恐らく初めての決勝3枠がかかっている。世界選手権のシステムを超ざっくりいうと 国内予選→現地予選(QT)→決勝総当たり(AT) という構成になっている。QTの通過争いは本当に熾烈で、…

五目クエストお題振り返り

せっかく頻繁にお題をやっているので軽く振り返っておこうと思う。 白6は大まかにABC が打たれた。個人的な印象ではBが本線かな?自分の対局から気になったものをいくつか見ていく。 kawamura-meijin 戦。私の黒番。白12までは疎星の黒有利とされる進行に、4…

現代連珠から見るノーマル寒星五題~連珠に残された唯一のフロンティア~

ノーマル寒星五題というと、通常恒星共通のこの形を指す。「唯一のフロンティア」という表現は、この形が流行り始めた2011年前後における日本の某強豪の発言だ。不思議なことに、海外のまた別の強豪も、フロンティアという表現を使用していないものの似た趣…

ソフト研究の浸透は連珠の何を変えたか

時々聞かれることである。この質問に厳密に答えるには、ソフト研究黎明期から順番に話していく必要があるのだが、大変な量になってしまうため特に高レベルソフト(Yixin)の登場前後について述べる。 「誰でも」より速くより正確な研究ができる時代 Yixinの…

共通型の基礎知識

Twitterのぴえこ先生のお題局面で登場したので、ちょうどいい機会ということで書いてみる。この記事で説明するのは、当該戦型における前提知識、つまりプレイヤー間で常識とされているものについてである。細かい手順や最新の動向は追わないので、そこが気に…

2018年公式戦終了

先日の挑戦手合いで今年の公式戦がすべて終わりました。 手動集計なので間違っている可能性は多いにありますが、私の今年の公式戦の戦績は18勝7敗7分(勝ち点率21.5/32=0.671875)で勝率67%でした。 勝率自体はここ最近の平年並みというところでしょうか。ただ…

第4局簡単な振り返り

詳しくはまた後で書きますがとりあえず忘れないようにざっと感じたことを 前局の課題であった「自分なりに局面を追究する」、去年の祁观戦からの課題「自分が直感で切りそうな手もしっかり検討して必要なら拾い上げる」この二点についてはクリアしたと思いま…

四追い選手権

連珠にはタイムアタック式の詰め連珠選手権は今まであったでしょうか。ともかく来週四追い選手権があります。私は作問を担当しました。 難易度に不安を持たれる方、あるいは簡単すぎると思う方が出ると思うので予め私なりの目安を示しておきます。 連珠のル…

人間の判断を狂わせるもの~SOPAI杯八回戦 VS李小青~

SOPAI杯は全九回戦。泣いても笑っても残り二局で全てが決する。この日の朝は岡部さんが近づいてきて「優勝が見えてきたな」。そのときは「次勝ったら意識してみます」と答えた。その朝、七回戦の対局は今大会一番の僥倖としか言いようのない勝ち方。(以下参…

How to say ''you're welcome'' in Japanese?ーどういたしまして(๑╹ω╹๑)

先日のSOPAI杯で最も印象に残ったやりとりだ。汪清清ー私が人生で会った人のなかでも随一の積極性を持っていた。中国では現地の運営の方々をはじめとして、本当に色々な人達がよくしてくださったが、とりわけこの人は印象深いので忘れないうちに書いておこう…

ソフト研究と実戦の探究~SOPAI杯五回戦 VS汪清清~

連珠に限らず他のゲームにおいてもコンピュータソフトを用いた研究が盛んになっている。研究速度や精度が飛躍的に上昇した反面、実戦で戦っていると人間が技術的な進歩に追いついていないと感じることが多い。 汪清清は今回隣の部屋だった。慣れない中国の大…