いつでも良い手は後回し
上図は、先日時空伝さんと五目クエストで打った棋譜の途中図である。連珠に詳しい方はお分かりと思うが、黒11まではよく出てくる定石手順の一つ。次の手で定石は白A。剣先を二本作る自然な手。知らなくてもここに打つ方が多いのではないだろうか。しかし私はこのとき白Bと三を引いた。これが間違いの始まりだった。
白14に対し黒15は、この定石の部分図としては成立しないという記憶があった。ここでは黒Aが盤上唯一の手のはず・・・という漠然としたものがあったのでよくわからないまま突撃した。
結果として23までで完全に受け潰されてしまい、以下ひたすらに黒の猛攻を受けなければならなくなった。いわゆる破綻である。私はよく攻めが空中分解するという言い回しもするが、意味合いは似たようなものだ。
どこで間違えたのか?
調べてみるとこの12に対して黒13は成立しない、つまり白勝ちのようだ。あの三ヒキ一本で悪くしてしまったということだ。具体的にはどういうことなのか?
白18と黒の連を止めた手がフクミになり、攻めが継続する。白の四追い筋がお分かりだろうか?
白1~白5と四を打っていくと黒6の場所が四四禁になる。いわゆる「四角形の頂点が禁手になる」というパターンだ。
もう少し分かりやすく図示するとこんな感じ。黒の赤枠で囲った石が青のラインと緑のラインの合流点で四四禁となる。
ここまで書くとお気づきの方もいると思うが、最初に三をヒイて勝てなくなった冒頭の図では、この四四禁の攻め筋が消えている。
冒頭図から同じことをしようとすると上図になる。この場合、赤枠で囲った石は四四禁ではないのがわかる。
さて、X点四四禁の四追いを残されている黒はかなり差し迫った状況にある。青または緑のライン上に受ける手は全てX点四四禁になってしまう。白18は剣先を作っている。普通ならこの剣先を受ける*点に打ちたいが、青ライン上なので四四禁になってしまう。黒はAと止めるくらいだが、白は自然とこの連を止めるBで、再びX点禁を狙えば黒に受けはない。
いま打つ必要があるか
冒頭図における白Bは、黒に先に打たれない限りは自分から打つことができるので、今打つ必要はない。連珠では「いま打つ必要があるか」という問いかけが局面を正確に理解するキーワードになりやすい。いつでもいい手は後回しが基本だ。常日頃気を付けているつもりだが、時々すっぽり抜けて本譜のような大破綻を引き起こしてしまうことがある。普段の練習でも気を付けたい。