連珠雑記

連珠(競技五目並べ)に関する雑記。問題掲載、五目クエストの棋譜、公式戦振り返りなど。

注意すべきYixinの挙動

検討時には非常に便利なYixinだが、万能ではない。深く研究してみると、Yixinでもしばしば判断を誤ることが分かる。

 

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図はYixinのDefend機能を使った受け候補探索の評価値表示。-10000という数字はその局面に受けがないことを意味する。(非常に少ないが例外も0ではない。また別記事で) 通常-10000の評価がでるとき、-50→-120→-170→-135→-220→-250→-10000 のように、細かい上下を繰り返しながら必敗判定をするのが一般的である。ところが上図では-115からいきなり-10000になっている。こういうことは検討しているとしばしば起こる。

このような急激な数値の上昇はYixinの見落としによるものだ。それまでは楽観的に見積もっていたが、ある手を発見した瞬間に急に反省する。まるで人間のようだ。機械でも同じようなものらしい。こういったケースはどういうときに発生しやすいのか。実は明らかな前兆がある。

 

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この図はある局面でのYixinの評価値を示している。まず評価値の値がDepth5から13の間において、157と全く同じ数値。そして読み筋を見てみるとG10の一手先しか読んでいない。このとき、別の手を入力してそれが必勝だと一番最初の図のような評価値推移になる。一手先しか読んでいないのは盤上この一手というわけでは決してなく、単にYixinがそこしか読んでいないということだ。その場所以外に有力手が落ちていることはかなり多い。この動きをしたらYixinを疑ってかかるべきである。

疑ったはいいものの、具体的にそのあとどうすればいいか。強い人の場合は自分が思う最善進行を入力してYixinの評価を見るのが確実だ。仮に局面判断に自信がなかった場合、候補手を増やすという選択肢がある。Yixinの右下にある入力欄に「nbest n(数値)」と入力してエンターを押すと、Yixinの第N候補までの読み筋を見ることができる。

 

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上図は「nbest 3」と入力した例。このように表示される。候補手の場所だけを見て、改めてその場所に打たせて読ませてみるのが効率的だと思う。

他にはそもそも追い詰めや一直線の勝ちを読めていないことがあるので、追い詰め検索(VCT)や全勝ち検索(VC2)で先に調べておくと、大きな間違いは減るだろう。