連珠雑記

連珠(競技五目並べ)に関する雑記。問題掲載、五目クエストの棋譜、公式戦振り返りなど。

How to say ''you're welcome'' in Japanese?ーどういたしまして(๑╹ω╹๑)

先日のSOPAI杯で最も印象に残ったやりとりだ。汪清清ー私が人生で会った人のなかでも随一の積極性を持っていた。中国では現地の運営の方々をはじめとして、本当に色々な人達がよくしてくださったが、とりわけこの人は印象深いので忘れないうちに書いておこうと思う。

 

彼女の部屋は私と神谷君のとなりだった。恐らくこれは偶然ではなくて、彼女が大会での交流係やら世話係を担っていたからだと思われる。私とは中国に行く前からちょくちょく打ち合わせ?をし、現地の出迎えの手配からホテルでのWifi接続、観光案内や大会終了後のレクリエーションなど、何から何までしてくれたのは本当に凄い。それでいて大会も勝ちまくるのだから実にエネルギッシュだった。

部屋が隣だとよく会う。普通はじゃあまた明日、といって別れる。ところがこの人の場合は、我々が部屋に入ってあー疲れたなどと言っていると、気づくと横にいてうんうんそうだねと会話に入ってきていることが多かった。私の225倍ほど英語が堪能なので会話に困らなかったのも幸いした。(?)特に私との直接対決を終えてからは部屋で連珠の話をすることが多くなった。

 

「次、○○と当たるんだけど何提示したらいい?」

「なんかやりたいシュケイないの?」

「わからん!教えて!」

「このシュケイはこの白4で八題で・・・」

「五珠どこ!」

「こう打って・・・」

「ちょい待ち!忘れた!もっかい!」

(繰り返し並べながら覚えようとする、それを見て爆笑する私と神谷君)

「なにがそんなにおかしいんだ!」

「他にも白4いっぱいあるけどほんとに全部覚えられるの?もっと無難なのにしたほうがいいんじゃない?」

「私を信じろ!覚えられる!」(Trust me !! I can remember!!)

さながら試験前の一夜漬けのよう。このときのTrust me ほど信用ならないものは記憶にない。こんなやりとりを対局が終わる度にしていて、部屋では笑いが絶えなかった。ネタのようだが結構勝っているからすごい。ある対局では

「ここまでさっき並べた通りだったんだけど忘れちゃってめっちゃ考えた。怖いけどいっちゃえ!お、受けてくれた。ラッキー♪」

危ないところはちょくちょくある。なんかよく分からないけど勝っていた。「求めよ、されば与えられん」というのは本当なのかもしれない。彼女はダイレクトに求めていた。連珠は祈り。

 

日本語にも興味津々。朝は「オハヨー」夜は「オヤスミ」。徐々に語彙が増えていく。対局中のボヤキを逐一記憶しているようで、その中でも「ナンダコレー」はしきりに出てくる。どういたしましてはそうして覚えたものの一つだ。ただ日本語の中では言いにくい部類のようで

「あれ、何ていうんだっけ、あれ!」

「どういたしましてだよ」

「Oh・・・ドウイタシマシテ!(渾身ドヤ顔)」

新しく覚えたことは使って定着するとよく言うが、このやりとりは多分10回くらいしている。本人には、後20回くらい使えば覚えるよと。よくよく考えれば日常でどういたしましてという単語を耳にすることはあまりない。「いえいえ」くらいだろうか。この期間で一生分聞いたと思う。ドヤ顔しながら言うものではないんだけども・・・。彼女の影響力は凄いらしく、帰国してから連珠関係の中国人とやり取りする度「どういたしまして」と言われるようになった。恐るべし。

 

あるとき神谷岡部汪私で歩いていて

「Heyカミヤ、オカベとはどんな関係なんだ?」

「ウェイ・・・友達だ。」

「あぁん!?友達じゃないし」

「ともだちぃ~~?どんなぁ~~?(What kind of friends~~? Good friends~~? Deep friends~~?)」

岡部さんは即座に反発していたが、私が見た中では大会中一番うれしそうだったのが印象的だった。