02/06出題 問1ー解答①(白の異着ー白B,C)
白先、受けの正着は?
(問題図)
この図に於いての白の正着を問うた。結論からいえば白の正着はA。他の受けは全て負けてしまう。本当に全ての場所を検討すると、時間がいくらあってもたりないので、白の受けB~Eについて解説する。その他の受けについては各自研究してほしい。本稿では白B、白Cに対しての黒勝ちを見ていく。
白2ーB点における黒勝ち
(失敗図、白10まで)
まずは失敗図。単純に打っていく筋は黒9まで四三を打った時に白10が飛び四となり失敗する。そのまま黒で棒四を打ってしまい、白に五連を作られてしまうケースがよくあるのではないだろうか。要注意だ。正解を見よう。
(正解図、黒5まで)
実はこの白2の場合、数あるまともそうに見える受けの中では恐らく最速で黒が勝つ。黒3と飛び、黒5が手筋の両ミセ。以下AまたはBで四三勝ちだ。ミセ手で行くのがポイントだ。ノリ手解消にはミセ手。是非覚えてほしい。
白2ーC点における黒勝ち
(途中図、黒3まで)
白2はT字型における急所の場所で、ここにすぐ目が行くのも好感覚。ただこの場合は黒に良い手段がある。
黒3が肝要。この手に対し白4ーAでは以下黒BCDの四追い勝ちがある。よって白4ではBに受けるしかない。「三は引いたほうに止めよ」という格言があるが、裏を返せば「引いた方に止められない三は好手」である。白4ーB以下をさらに見ていく。
(失敗図、白12まで)
黒5以下バリバリ引いていくのは、もっと空間が広ければ有効な手段ではある。この場合攻め切るスペースが足りずに頓挫してしまう。空間が狭い場合には、無駄な石をなるべく省略する繊細な打ちまわしが要求される。
(正解図2、黒9まで)
ここでも黒5とミセ手から行くのが解決策。失敗図へ合流させたいなら白6だが、今度は黒9まで簡単な四三勝ちがある。
(失敗図2、白10まで)
よって白は6と受ける。今度こそ黒7からバリバリ引くのはやはりだめで、横が長連筋になってしまう。上辺の盤端も近いのでこれは勝てない。
(途中図2、黒7まで)
そこで黒7のミセ手がまたも妙手。こうした長連が絡む形ではミセ手がよく用いられる。以下白Aなら黒BやCに打つ予知が残り、白Bなら黒Dと飛ぶ選択肢を残すことができる。白8以下の詰み方は幅広そうだが、本稿では一例を示しておく。
(正解図3、黒15まで)
白8に対しては色々な詰みがあるが、最も分かりやすいのは全部引いてしまうことだろう。図以下Aで四三勝ちだ。
(正解図4、黒13まで)
白8が最強。まだ油断ならない。詰み方は一つではないだろうが、ともかく黒9が急所のフクミだろう。これは以下ABCの四追いを残している。白10以外の場所では、たとえ四追いでなくてもこの筋で負けてしまう。今度は黒11とこちら側に道が開け、13までDないしEの両ミセ。ようやくゴールだ。
次項に続く。