連珠雑記

連珠(競技五目並べ)に関する雑記。問題掲載、五目クエストの棋譜、公式戦振り返りなど。

How to say ''you're welcome'' in Japanese?ーどういたしまして(๑╹ω╹๑)

先日のSOPAI杯で最も印象に残ったやりとりだ。汪清清ー私が人生で会った人のなかでも随一の積極性を持っていた。中国では現地の運営の方々をはじめとして、本当に色々な人達がよくしてくださったが、とりわけこの人は印象深いので忘れないうちに書いておこう…

ソフト研究と実戦の探究~SOPAI杯五回戦 VS汪清清~

連珠に限らず他のゲームにおいてもコンピュータソフトを用いた研究が盛んになっている。研究速度や精度が飛躍的に上昇した反面、実戦で戦っていると人間が技術的な進歩に追いついていないと感じることが多い。 汪清清は今回隣の部屋だった。慣れない中国の大…

もしも実戦で必勝手順を引かされたら~SOPAI杯七回戦 VS韦振强~

自由打ちの連珠には先手である黒に必勝手順が存在する。それを解決するために、序盤の打ち方に制限を設けようというのが現在のルールの思想だ。そういった性質からか、連珠は答えのある局面と答えのない局面が比較的はっきり分かれている。そして答えのある…

大会結果

更新が遅くなりました。最終日は1勝1敗1分。ひっくるめて5勝1敗3分で3位でした。 負けた一局は余裕の受けきりだと思っていたところで緩手を打ってしまい、一気に寄られてしまいました。ただ局面自体は終始相手のほうが打ちやすかったようで、どうやら作戦の…

二日目

二日目も2勝1分でした。 二局目が難解でしたが有利になる進行を発見でき快勝。最後の対局で長手数の勝ち筋を逃したらしいことに疲れを自覚。省エネのつもりでも削られているようです。最後まで頑張ります。

初日

初日は2勝1分でした。 世界チャンプ経験者のチーグアンとは三連続引き分けに。調子は悪くないですが、序盤に不安があります。

初戦

明日初戦ですが、日本人は三人しかいないはずのところを神谷くんとやることになりました。 海外の対日本人はほぼ全敗なのですが、頑張ります。

進捗

およそ30分後にバスで会場に向け出発します。三時間だそうです。 大会は持ち時間90分一日三局×三日、事前情報で朝8時から夜22時30と聞いて戦慄。死んでしまうかも・・・

上海到着

無事に着きました。更新はできそうです。

中国の連珠大会

数日間中国の連珠大会に出てきます。 ツイッターは使用できないと思います。大会の様子やその他連絡事項など、向こうの環境次第ですがこのブログを利用してお伝えします。とりあえず向こうに着いて落ち着いたら更新を試みるので、明日朝までに更新がない場合…

追求するということ~名人戦第三局感想~

元々公開するつもりはなかったのですが、今回の対局は色々と思うところがあったこと、一部の人に見せたところ公開したほうがいいということなので公開します。 対局中に寒気が走ることがある。着手直前特有のもので、打つ直前にあっ危ないと思うのだがそのと…

勝敗を分かつ一手の攻防~幻の四追い~

連珠には幻の四追いという慣用表現がある。簡単にいうと、「四追いだと思っていたら実はノリ手で勝てないもの」にあてられるものだが、厳密にはもう少し狭い意味合いなのではないかと思う。ちょうどいい局面を見つけたので紹介したい。 (仮想局面、白2まで) …

棋譜並べ④ 小山純VS佐藤清富~ポイポイ流大決戦~

この棋譜を取り扱うにあたっては個人的に葛藤があったのだが、ともかく面白いので紹介したい。 両者は感覚型プレイヤーの大家で、「ポイポイ流」と呼ばれる通りほとんどの局面で長考することなくどんどん打っていく。具体的に言うと一手につきノータイム~1…

棋譜並べ③ Artemiev VS 曹冬 ~勝つための受けの方針~

チーム世界戦自戦記については別の場所で話す事情ができたということで、とりあえずそれが終わってからの更新としたい。今回紹介するのはチーム世界戦の別の局についてだ。Artemiev(以下本記事ではアルテミエフと記す)と曹冬の一局である。 総譜 http://www.…

チーム世界戦振り返り~オル戦~

(45黒:私 示白:オル 白16まで) 二回戦は同日の午後、初戦終了からおよそ2時間を空けて行われる。私の対局相手はオル。前回大会でチームを優勝に導いた立役者だ。彼は対局が始まると少し呼吸を整える素振りを見せてから恒星を提示した。瞬間に私は自らの行な…

チーム世界戦振り返り~トップキン戦~

つい先日、Yixin2017GUI版が公開された。滅茶苦茶強いソフトで、その水準は総合的に見て人間のトップレベルか、分野によってははるか遠くのところにいるだろう。せっかくなのでこの人に手伝ってもらいながらチーム戦の自分の棋譜を振り返ってみたい。 (示45…

四追いとフクミ

チーム世界選手権の宿で私は藤田雄大五段と同室だった。彼は国際棋戦初出場に関わらず5割近い成績を残し、去年個人2位である中国の朱建縫に1勝1分で終えるなどその強さを見せつけた。藤田君とは大会の合間合間に練習ということで3分切れ負けや5分切れ負けの…

チーム世界戦を終えて~簡単な感想~

このGWに連珠のチーム世界選手権に出場してきた。その名の通り団体戦で、私は大将出場。個人としての成績は5勝2敗1分、チームとしては2位だった。 以下、印象に残ったことを簡単に。 世界チャンプとの距離 現在の連珠の世界チャンプは2017年個人で優勝したSu…

【四追い】解答解説【実戦検討】

忘れないうちに解答と簡単な解説を載せる。問題は以下。 実戦検討より。黒先、四追い勝ちは?#連珠#五目クエスト pic.twitter.com/5E8htYJe6k — 那智暴虐の連珠石 (@nachirenju) 2018年4月21日 初型観察 (問題図) この問題のポイントは、二通りの打ち出し筋…

実戦型詰む連珠第4問 解答解説

実戦型詰む連珠の解答解説をしていく。問題は以下 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第4問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★★☆)#詰め連珠#解けたらRT 過去のブログ出題から未解説問題を引っ張ってきました。一見捕まっていそうですが綺麗に詰み上がりま…

実戦型詰む連珠第3問 解答解説

実戦型詰む連珠の解答解説をしていく。問題は以下 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第3問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★★☆)#詰め連珠#解けたらRT 類型を経験した方は多いのではないでしょうか。詰みそうでなかなか詰まない。この局面にはちゃんと詰…

終盤の研究②ー①

今回も終盤の研究をしていく。 (テーマ図、黒番) 今回扱うテーマ図はこの局面。疎星などで時々出現する局面だ。この局面を設定する条件として ①絶対的な黒の手番 ②十分な攻めスペース の2点がある。ある局面から黒が勝てるかどうかを確かめるのには基本的な…

終盤の研究①ー③(余談)

この記事は本筋とは関係ないが、個人的に興味深かったので残しておく。 (第1図、黒5まで) 白2には黒5ーAから追い詰めであることは前の記事で述べた。(以下) renjuvarious.hatenablog.jp では第1図、黒5と三をヒクとどうなるのだろうか?白の受ける候補はAも…

終盤の研究①ー②

この記事は以下の記事の続きなので、未読の方は先に目を通してほしい。 renjuvarious.hatenablog.jp (第16図、黒5まで) 白2には黒3、黒5と打つ追い詰めがある。これもこの形では出現率が高い。 (第16図、黒7まで) 知らないとなかなか打てないが、白6には黒7…

終盤の研究①

実戦では詰みもそうだが、いかに詰む形に持っていくかが大事だ。自分の知識の整理も兼ねて、終盤でよく現れる形の研究を行う。 (テーマ図、黒番) テーマ図から黒番である。ここでは既に黒必勝が確定している。細かい石の配置は色々あるのだが、勝ちになる形…

実戦型詰む連珠第2問 解答解説

実戦型詰む連珠の解答解説をしていく。問題は以下 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第2問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★★★)#詰め連珠#解けたらRT このパターンでは最も分かりやすい形から出題。実戦出現率の極めて高い形で、反射的に詰めるようにな…

棋譜並べ② 梅凡VS姚宇杰

今年の4月、中国で全国五子棋団体賽という大会が開催された。この大会のルールは題数指定打ちで、現行の世界選手権採用ルールである四珠交替打ちのひとつ前のものだ。とはいえ、参考になる棋譜が多いのでしばらくこの大会の棋譜を並べていこうと思う。 (第1…

実戦型詰む連珠第1問 解答解説

Twitterで出題した実戦型詰む連珠第1問の解説をしていく。問題は以下。 【実戦型詰む連珠】連珠(五目並べ)【第1問】黒先、追い詰め勝ちは?(頻出度★★★☆☆)#詰め連珠#解けたらRT 不定期出題。「詰め連珠」ではなく「詰む連珠」。よって詰みは一通りではなく複…

棋譜並べ① 祁观VS林劉民 ~剣先の使い方~

棋譜並べの記事を書きたい!そう思った。思い立ったが吉日というやつである。早速やっていこう。今回紹介するのは2017年世界選手権ATで打たれた祁观VS林劉民の対局だ。紹介にあたって、互いに競った接戦よりも片方の快勝のほうが見ていて爽快感があるだろう…

三ヒキ主体の連珠におけるポイント

先日いっぷくさんで連珠に関する講義をさせていただいた。その中で「三ヒキは将棋で言うと銀損(捨て)に相当する」と言及した。それにより三ヒキ恐怖症になる方や、「強い人は三を引いているのに何で?」と思われる方があっただろう。その疑問はもっともであ…